先日、名古屋大学の戸田山・久木田研の年中行事(だと思います)の「創造的哲学者の会」で、自分自身の研究の方向性を示すような発表をしてみませんか、というお誘いを久木田准教授から受けました。ありがたくお受けし、今年3月31日のエントリ(On the nonemptiness requirement and two interpretations of quantifiers)およびその後の補足で展開した「量化子の2解釈論」とでも呼ぶべき議論をベースに発表すべく資料を用意しました。(土壇場で参戦を決めたのでごく簡単な資料ですが。)結局時間切れで自分の発表はかないませんでしたが、この発表用に資料をつくるうち、いろいろ考えが進んだところも出てきましたので、この発表資料をここにアップさせてもらいます。
同様の興味をもつ方の参考にでもなれば、あるいは少しでも刺激にでもなれば、幸甚です。
オリジナルの(今年三月の)考え方から一番変わったところは、この議論を「量化子の二解釈論」とかんがえていたものを、「二用法論」という考え方に変えたところです。「考え方が変わった」というより、厳密に言うと、考え方自体は変わってないが、今年3月の記事で採用した「量化子の解釈論」のような表現より(それも間違いではないものの)「用法論」の方が、伝えようとする考え方の表現として適当だろう(誤解を招きにくいだろう)ということに気づいた、というところです。
また、この考え方は、久木田准教授の「言語行為としての数学」論や、Robert Brandom氏のdeontic scorekeeping model に密接に関わるものだということにも今更ながら気づいたので、ここで指摘させてもらいました。
詳細はPDFをご覧ください。
創造的哲学者の会発表資料(8月4日改定版).pdf |